ヤクルト・山田の長~い不振は「スランプ」か?それとも「劣化」か?

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開幕から山田哲人(ヤクルト)が不振にあえいでいます。

今季ここまで5試合に出場し、17打数2安打、打率.118。本塁打はまだありません。

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山田の不振は「スランプ」か?「劣化」か?

山田は高卒4年目、22歳だった2014年に日本人の右打者として歴代最多の193安打で打率.324、29本塁打を記録すると、2015、2016年は史上初の2年連続「トリプルスリー」を達成しました。

山田の2014年から2016年までの成績はこちらです。

※赤文字はリーグ1位。

2014  .324 29本 *89打点 OPS*.941
2015  .329 38本 100打点 OPS1.027
2016  .304 38本 102打点 OPS1.032

2015年には38本塁打で初の本塁打王を獲得。3年間安定してハイレベルな成績を残し続けた山田は、一気に「日本最強打者」に登り詰めたかに思えました。

ところが、3年連続「トリプルスリー」が期待された昨年は開幕から一向に調子が上がらず、結局打率は.250を切り、本塁打も前年から大きく減らして24本。スランプの年となってしまいました。

2017  .247 24本 78打点 OPS.799

関連記事:ヤクルト・山田の3年連続トリプルスリーの可能性を今さら探ってみた。

実は山田のスランプは2016年の後半戦から始まっていて、前半戦の成績が打率.350(320-112)、29本塁打だったのに対し、後半戦は打率.211(161-34)、9本塁打。まるで別人のようです。

この年の後半戦の不振については、7/30の巨人戦で背中に受けた死球によるケガがきっかけだったのではないかとも言われていますが、もちろん真相は分かりません。

それよりも私が気になるのは、その2016年の後半戦から現在まで続く山田の長い不振が単なる「スランプ」なのか、それともいわゆる「劣化」なのかということです。

山田は今年で26歳と若く、「劣化」が始まるにはまだまだ早すぎる気がします。

しかしこれまでプロ野球界には、数年間突出した好成績を残しながら若くして突然衰え、その後成績が低下してしまった選手が何人もいます。

そういう前例があるだけに、私は山田の早すぎる「劣化」を心配してしまうのです。

27歳から「劣化」が始まった江藤

かつて本塁打王を2回獲得し、通算364本塁打を記録した江藤智(元広島、巨人他)も若くして「劣化」してしまった選手の一人です。

江藤は1993年、34本塁打で初の本塁打王を獲得。23歳という若き本塁打王の誕生でした。

関連記事:30本塁打目前!オリックス・T-岡田の今までの成績が歯がゆい理由

その年から4年間、江藤はまだ覚醒前だった松井秀喜(元巨人他)らを押さえ、セ・リーグのNO.1スラッガーとして君臨。1995年にはキャリアハイとなる39本塁打で2回目の本塁打王を獲得しました。

江藤の1993年から1996年までの成績はこちらです。

※赤文字はリーグ1位。

1993  .282 34 *82打点 OPS*.916
1994  .321 28
*81打点 OPS1.008
1995  .286 39
106打点 OPS1.004
1996  .314 32
*79打点 OPS1.047

特に1994年からは3年連続でOPSが1を超えるなど、まさに打者としての「絶頂期」でした。

しかし1997年、本塁打こそ28本打ったものの、打率が.252と急激に下がってしまいます。

1997  .252 28 76打点 OPS.896

これについては、前年8月の巨人戦で仁志敏久の打球を左目に当て眼窩底を骨折したことが大きく影響したとも言われますが、山田のケースと同じく真相は分かりません。

ただ残念ながら、江藤は27歳だったこの1997年以降もそれなりに立派な成績は残したものの、上記の4年間と比べると明らかに打者として「スケールダウン」してしまいました。

1997年以降の江藤の成績はこちらです。

1997  .252 28 76打点 OPS.896
1998  .253 28
81打点 OPS.845
1999  .291 27
79打点 OPS.953
2000  .256 32
91打点 OPS.847
2001  .285 30
87打点 OPS.898
2002  .242 18
56打点 OPS.728
2003  .268 17
43打点 OPS.798
2004  .227 *4
15打点 OPS.716
2005  .172 *0
*4打点 OPS.503
2006  .242 *5
19打点 OPS.769
2007  .229 *3
17打点 OPS.664
2008  .206 *7
17打点 OPS.730
2009  .128 *0
*1打点 OPS.389

2001年までは25本塁打以上を記録していますので、これを「劣化」と呼ぶのは少々大げさかもしれませんが、1997年以降打率3割は一度もなし。タイトル争いに絡むこともありませんでした。

若くして「劣化」した選手たち Part.1

ここからは、江藤と同じように比較的若い年齢で成績が低下してしまったその他の選手の「絶頂期」と「劣化後」をご紹介します。

※赤文字はリーグ1位。

池山隆寛(元ヤクルト)

絶頂期(23歳~27歳)
1988  .254 31
81打点 OPS.792
1989  .264 34
74打点 OPS.840
1990  .303 31
97打点 OPS.918
1991  .269 32
80打点 OPS.860
1992  .279 30
79打点 OPS.886

劣化後(28歳~)
1993  .256 24
71打点 OPS.828
1994  .260 19
55打点 OPS.793
1995  .263 19
70打点 OPS.799
1996  .268 *7
29打点 OPS.784
1997  .276 18
79打点 OPS.821
1998  .275 18
59打点 OPS.818
1999  .221 *8
23打点 OPS.625
2000  .229 *9
21打点 OPS.721
2001  .192 *4
12打点 OPS.682
2002  .209 *1
*6打点 OPS.594

遊撃手でありながら1988年から5年連続30本塁打を記録。三振を恐れない豪快なフルスイングで本塁打を連発し「ブンブン丸」と呼ばれました。1992年からは山田と同じく背番号1を着けヤクルトの黄金時代を支えますが、翌1993年以降は本塁打が減少。結局1992年が最後の30本塁打でした。

 
中村紀洋(元近鉄、オリックス他)

絶頂期(27歳~29歳)
2000  .277 39
110打点 OPS*.959
2001  .320 46
132打点 OPS1.064
2002  .294 42
115打点 OPS*.997

劣化後(30歳~)
2003  .236 23
*67打点 OPS*.817
2004  .274 19
*66打点 OPS*.857
2005  .128 *0
**3打点 OPS*.350
2006  .232 12
*45打点 OPS*.701
2007  .293 20
*79打点 OPS*.836
2008  .274 24
*72打点 OPS*.800
2009  .221 *2
*26打点 OPS*.582
2010  .266 13
*64打点 OPS*.726
2011  .209 *1
*14打点 OPS*.540
2012  .274 11
*61打点 OPS*.753
2013  .281 14
*61打点 OPS*.761
2014  .245 *0
*10打点 OPS*.607

2000年に本塁打王と打点王、2001年に打点王を獲得。近鉄「いてまえ打線」の四番打者として当時のパ・リーグを席巻しましたが、2003年に右ひざ半月板を損傷して以降は成績が低下。2005年にMLBに移籍も1年で帰国し、その後オリックス、中日、楽天、DeNAと4球団を渡り歩きました。

 
村田修一(元横浜、巨人他)

絶頂期(26歳~28歳)
2006  .266 34
114打点 OPS*.844
2007  .287 36
101打点 OPS*.929
2008  .323 46
114打点 OPS1.062

劣化後(29歳~)
2009  .274 25
*69打点 OPS*.870
2010  .257 26
*88打点 OPS*.762
2011  .253 20
*70打点 OPS*.744
2012  .252 12
*58打点 OPS*.690
2013  .316 25
*87打点 OPS*.896
2014  .256 21
*68打点 OPS*.732
2015  .236 12
*39打点 OPS*.683
2016  .302 25
*81打点 OPS*.859
2017  .262 14
*58打点 OPS*.754

2007、2008年と2年連続本塁打王を獲得し、2009年のWBCでは四番打者を務めました。しかし、この年2度のケガで規定打席に届かず25本塁打に終わったあたりから成績が低下。2012年巨人にFA移籍した後打率3割を2回記録したものの「絶頂期」のような圧倒的な長打力は影を潜めました。

若くして「劣化」した選手たち Part.2

ここまでご紹介した江藤、池山、中村、村田の4人は「劣化後」も「絶頂期」ほどではないにせよ一定の成績を残し続けましたが、次の3人の「劣化」は本当に急激でした。

※赤文字はリーグ1位。

石井浩郎(元近鉄、巨人他)

絶頂期(28歳~30歳)
1992  .290 29
*89打点 OPS*.905
1993  .309 22
*80打点 OPS*.917
1994  .316 33
111打点 OPS1.001

劣化後(31歳~)
1995  .276 *6
*17打点 OPS*.812
1996  .286 *0
**0打点 OPS*.571
1997  .333 *1
*14打点 OPS*.825
1998  .253 *4
*27打点 OPS*.730
1999  .258 11
*32打点 OPS*.833
2000  .266 10
*51打点 OPS*.780
2001  .253 *3
*12打点 OPS*.787
2002  .208 *0
**2打点 OPS*.534

新人から2年連続で規定打席未到達ながら20本塁打を記録すると、1993年に初の打率3割。1994年には111打点で打点王を獲得。四番打者として362試合連続出場という日本記録も樹立しました。しかしその後は度重なるケガに悩まされ、1995年以降は一度も100試合以上の出場がありませんでした。

 
今岡誠(元阪神、ロッテ)

絶頂期(28歳~31歳)
2002  .317 15
*56打点 OPS.840
2003  .340 12
*72打点 OPS.865
2004  .306 28
*83打点 OPS.865
2005  .279 29
147打点 OPS.834

劣化後(32歳~)
2006  .221 *7
*29打点 OPS.610
2007  .279 *4
*24打点 OPS.663
2008  .172 *7
*29打点 OPS.545
2009  .133 *0
**2打点 OPS.333
2010  .227 *0
**6打点 OPS.517
2011  .130 *0
**1打点 OPS.374
2012 
一軍出場なし

5年目までは打率3割が一度もなく、通算打率も.264と平凡でしたが、6年目の2002年に打率.317を記録して一気に覚醒。2003年に打率.340で首位打者、2005年は147打点で打点王を獲得しました。しかし2006年に打率.221、7本塁打に終わると、そのまま復活することはできませんでした。

 
吉村裕基(ソフトバンク)

絶頂期(22歳~24歳)
2006  .311 26
66打点 OPS.909
2007  .274 24
85打点 OPS.788
2008  .260 34
91打点 OPS.837

劣化後(25歳~)
2009  .248 16
54打点 OPS.714
2010  .205 *3
11打点 OPS.532
2011  .200 *5
11打点 OPS.586
2012  .209 *2
*7打点 OPS.607
2013  .194 *5
16打点 OPS.627
2014  .296 *5
29打点 OPS.841
2015  .217 *3
15打点 OPS.681
2016  .209 *5
28打点 OPS.615
2017  .176 *2
*2打点 OPS.793

横浜時代、2006年に高卒4年目で規定打席未到達ながら打率.311、26本塁打を記録し、2008年にはキャリアハイとなる34本塁打。しかし2009年に本塁打が16本と半減すると、翌2010年以降はレギュラーの座からも転落しました。現在はソフトバンクのスーパーサブ的な役割を担っています。

今季の山田の成績を大予想します!

石井、今岡、吉村の3人の成績の推移を見ると、打撃は一度大きく狂ってしまうと修正するのはなかなか難しいということが分かります。もちろんケガなどの影響も大きいのでしょうが…。

吉村は高卒4年目に20本塁打以上を記録し、まさに「レジェンドコース」まっしぐらのはずでした。

関連記事:巨人・岡本、ついに覚醒なるか?目指すべき数字と巨人の不吉な歴史

しかし、2008年に34本塁打を記録した後は急激に「劣化」。一説には2008年のオフに受けたレーシック手術が原因ではないかと言われていますが、これも真相は分かりません。

さて、山田は長い不振から復活することができるでしょうか。

もしも今季、以前のように「打率3割・30本塁打」をクリアできないようだと、いくら天才・山田と言えどもそのまま「劣化」の一途をたどってしまう危険性は十分にあります。

それでは、今季の山田の成績を予想します。

2018  .302520-15733 94打点 42盗塁 107四死球 OPS.981

私は山田の復活に賭けたいと思います。今季、山田は3回目の「トリプルスリー」を達成します!

特に根拠はなく(いつもの通り)、これは私の願望に近いかもしれません。山田がこのまま「劣化」してしまうなんて悲しすぎます。私の成績予想なんて所詮こんなもんです 苦笑

でもプロ野球ファンのほとんどが私と同じ気持ちのはず。さあ、みんなでお願いしましょう。

神様、今季こそ山田に「すごいの」が来ますように!


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