同時受賞もあり得るか?巨人・菅野と西武・菊池の激しい沢村賞争い!

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2017年9月7日のプロ野球個人成績の動き。

菊池雄星(西武)が、ロッテ戦に先発。9回4安打無失点、10奪三振の完封勝利で、今季14勝目を挙げました。

これで、菅野智之(巨人)との沢村賞争いはますます激しくなりました。

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菅野と菊池の激しい沢村賞争い!

菅野と菊池。セ・リーグの右腕とパ・リーグの左腕。しかも、どちらも知名度抜群の若きエースということで、久しぶりにワクワクするような沢村賞争いとなっています。

今季の菅野と菊池の成績を比較してみます。

菅野智之(巨人)
21試合 4完投 14勝5敗 .737 防1.78 156.1回 147奪三振 WHIP0.90

菊池雄星(西武)
23試合 6完投 14勝6敗 .700 防2.17 165.2回 190奪三振 WHIP0.89

どちらもここまで、自己最多となる14勝を挙げています。

防御率、勝率は菅野が上で、完投数、投球回数、奪三振数は菊池が上。ちなみにタイトルには関係ありませんが、WHIPはほぼ同じです。

菊池は8/17の楽天戦、8/24のソフトバンク戦と、2試合続けて投球フォームが2段モーションと判定され、反則投球を宣告されました。

その影響からか、特に8/24のソフトバンク戦は3回7失点と打ち込まれ(元々菊池はソフトバンクが大の苦手ですが…。)、防御率は1.93から2.32と大きく悪化してしまいました。

そもそも、シーズン終盤にフォーム修正を余儀なくされるという状況はあまりに酷で、さすがにこの2人の沢村賞争いは、菅野に軍配が上がったかに思われました。

ところが、そこから菊池は、8/31楽天戦で2失点完投勝利、そして今日9/7のロッテ戦で完封勝利と見事に巻き返してきました。

現在、菅野と菊池の沢村賞争いは、「数字の上では」完全に互角と言ってもいいと思います。

14年ぶりの同時受賞はあり得るか?

それでは、2人の同時受賞の可能性はあるのでしょうか。

1947年に制定されて以来、70年に及ぶ沢村賞の長い歴史の中で、同時受賞は過去2回だけです。1966年の村山実(阪神)と堀内恒夫(巨人)、2003年の井川慶(阪神)と斉藤和巳(ダイエー)です。

1966年の話はあまりに古すぎますし、選考方法も今とは違いますので、今回は割愛させていただくとして、2003年の井川と斉藤の成績を比較してみます。

井川慶(阪神)
29試合 8完投 20勝5敗 .800 防2.80 206.0回 179奪三振 WHIP1.17

斉藤和巳(ダイエー)
26試合 5完投 20勝3敗 .870 防2.83 194.0回 160奪三振 WHIP1.24

2人の成績は非常に拮抗していました。どちらもお互いのリーグで最多勝、最優秀防御率、最高勝率のタイトルを獲得しているところも同じ。

しかし、同時受賞の最大の決め手となったのは、やはり「シーズン20勝」と「リーグ優勝」でしょう。この年セ・リーグは阪神、パ・リーグはダイエーが優勝しました。

菅野、菊池ともに、さすがにここから20勝は厳しいでしょうし、リーグ優勝もセ・リーグは広島、パ・リーグはソフトバンクで決まりでしょう。

ということで、同時受賞という可能性は限りなく低いはずです。

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受賞の決め手は最多勝!

あとは、何が受賞の決め手となるのでしょうか。

プロ野球ファンならほとんどの方がご存じだとは思いますが、沢村賞には一応、下記の選考基準というものがあります。

●登板試合数/25試合以上
●完投試合数/10試合以上
●勝利数/15勝以上
●勝率/6割以上
●防御率/2.50以下
●投球回数/200イニング以上
●奪三振/150個以上

「一応」と書いたのは、これらはあくまで基準だからです。投手の分業化が進んだ近年では、以前ほど完投数や投球回数は重視されなくなってきています。

特に完投数に関しては、「10完投以上」の基準を満たしての受賞者は、2011年に14完投を記録した田中将大(当時楽天)まで遡らねばなりません。

ちなみに昨年の受賞者、ジョンソン(広島)の成績はこちら。

26試合 3完投 15勝7敗 .682 防2.13 180.1回 141奪三振 WHIP1.13

完投数はわずか3で、投球回数も180.1回。選考基準は7項目中4項目しか満たしていません。

今季の菅野と菊池は、両者とも完投数、投球回数以外の5項目は、ここから怪我かよほどの大崩れでもしない限りクリアしてくるでしょう。

その上で、まずお互いリーグの最多勝のタイトルは獲っておきたいところです。

昨年までの過去30年間(1987~2016年)で、沢村賞受賞者は合計30人。(2003年は受賞者が2人ですが、2000年は該当者なしのため。)

そのうち、最多勝を獲らずに受賞した投手はわずかに5人。

沢村賞は、最多勝を非常に重視する傾向があります。(ちなみに、最優秀防御率を獲らずに沢村賞を受賞した投手は14人もいます。)

その点では、現在セ・リーグの最多勝争いで、2位の薮田和樹(広島)に1つの差を付けている菅野はやや有利でしょうか。チームの残り試合数も、広島の15試合に対して、巨人は20試合。

一方パ・リーグの最多勝争いはというと、現在、菊池と東浜巨(ソフトバンク)が14勝で並んでいます。チームの残り試合数も、西武、ソフトバンクともに19試合と同じ。

ソフトバンクは、今季ここまで124試合で84勝40敗、なんと勝率.677。チーム自体が驚異的に強いので、最多勝を争う相手として、東浜はかなり強力なライバルです。

菊池は何としても、東浜に後れを取らずに最多勝を獲らなくてはなりません。

実は菊池に圧倒的に不利なデータが…

それでは菅野と菊池、両者とも最多勝を獲ったとして、沢村賞受賞に有利なのはどちらでしょうか。

実は、菊池には圧倒的に不利なデータがあります。

先ほど少し触れましたが、菊池はソフトバンクを大の苦手としているのです。今季ここまで、4試合で0勝4敗、なんと防御率は7.97。

そもそも菊池はプロ入り以来、ソフトバンク相手に実に白星なしの12連敗中。これは、デビュー以来の同一カードの連敗記録としては、プロ野球ワースト記録です。

優勝チームにここまで打ち込まれているのは、沢村賞を狙う上で非常に印象が悪いです。(菅野は広島相手に4試合で2勝1敗、防御率1.95と善戦しています。)

したがって菊池は、同じ最多勝を獲るにしても、勝利数で菅野に1つでも差を付けたいところ。

今季予想される菊池の残りの登板数は、ローテーション通りならあと4試合。しかも、そのうちの1試合は、天敵・ソフトバンクが相手です。

そのソフトバンク戦で、しっかりと打線を抑えた上で初勝利を挙げ、残り3勝以上してシーズン17勝以上で最多勝を獲り、できれば防御率もまた1点台に戻したいですね。

今季の菅野は、7月以降8試合に登板して7勝1敗、防御率0.61。後半戦に入り、ますます圧倒的な投球を続けています。

ここから菅野が大崩れすることは考えにくいので、菊池が確実に沢村賞を獲るためには、それくらいの高い条件が必要でしょう。

ということで、今季の沢村賞争いは、今のところわずかですが菅野が有利です。

しかし、ここにきて素晴らしい投球を続ける菊池を見ていると、菊池が私の出した条件をクリアする可能性も十分に感じます。

どちらが選ばれても初受賞。若きエース2人の最後の攻防を楽しみたいと思います。


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