沢村賞を逃した投手たち3/選考基準全項目クリアでも獲れない沢村賞

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沢村賞は、その年セ・パ両リーグで最も優秀だった「先発完投型」の投手を表彰する賞です。

沢村賞には、以下の7項目の選考基準があります。(必ずしも7項目すべてをクリアしなければいけないということではありません。)

●登板試合数/25試合以上
●完投数/10試合以上
●勝利数/15勝以上
●勝率/6割以上
●防御率/2.50以下
●投球回数/200イニング以上
●奪三振/150個以上

沢村賞は、基本的には毎年1人の投手だけが選出されます。そのため、これまで優秀な成績を残しながらも運悪く受賞を逃した投手が数多くいました。

今回は、そういう惜しくも沢村賞を逃してしまった投手たちにスポットを当ててみたいと思います。

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沢村賞を逃した投手たち 2007~2009

昨年までの過去30年間(1987~2016年)で、沢村賞受賞はならなかったものの「十分沢村賞に値する好成績を残した投手」を実際の受賞者とともに3回に渡ってご紹介しています。

前々回前回に引き続き、最終回は2007~2013年の記録です。

※赤文字で表記された投手が実際の受賞者です。
※成績の後ろにあるカッコ内の数字は沢村賞の選考基準をクリアした数です。

2007
ダルビッシュ有(日本ハム)
26試合 12完投 15勝*5敗 .750 防1.82 207.2回 210奪三振(7)

杉内俊哉(ソフトバンク)
28試合 *5完投 15勝*6敗 .714 防2.46 197.2回 187奪三振(5)

涌井秀章(西武)
28試合 11完投 17勝10敗 .630 防2.79 213.0回 141奪三振(5)

この年覚醒したダルビッシュが選考基準全項目クリアで初受賞。受賞経験者・杉内も見事な成績でしたが、完投数も少なく、さすがにこの年の受賞は無理ですね。涌井はダルビッシュを上回る17勝で最多勝を獲得。まさにライバルと言える好成績でした。

 
2008

岩隈久志(楽天)
28試合 *5完投 21勝4敗 .840 防1.87 201.2回 159奪三振(6)

ダルビッシュ有(日本ハム)
25試合 10完投 16勝4敗 .800 防1.88 200.2回 208奪三振(7)

岩隈が最多勝と最優秀防御率の2冠で初受賞となりました。前年受賞者のダルビッシュは、なんと2年連続で選考基準全項目クリアを達成しましたが、さすがに「21勝」には勝てませんでした。

 
2009

涌井秀章(西武)
27試合 11完投 16勝6敗*S .727 防2.30 211.2回 199奪三振(7)

ダルビッシュ有(日本ハム)
23試合 *8完投 15勝5敗*S .750 防1.73 182.0回 167奪三振(4)

杉内俊哉(ソフトバンク)
26試合 *6完投 15勝5敗*S .750 防2.36 191.0回 204奪三振(5)

田中将大(楽天)
25試合 *6完投 15勝6敗1S .714 防2.33 189.2回 171奪三振(5)

吉見一起(中日)
27試合 *5完投 16勝7敗*S .696 防2.00 189.1回 147奪三振(4)

最多勝を獲得して選考基準全項目クリアの涌井が、ライバル・ダルビッシュを抑えて初受賞を果たしました。ダルビッシュはシーズン終盤のリタイアが響きました。杉内、田中、吉見も好成績なのですが、それぞれ微妙に少しずつ物足りなさを感じます。

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沢村賞を逃した投手たち 2010~2013

2010
前田健太(広島)
28試合 *6完投 15勝8敗 .652 防2.21 215.2回 174奪三振(6)

金子千尋(オリックス)
28試合 *7完投 17勝8敗 .680 防3.30 204.1回 190奪三振(5)


高卒4年目の前田が覚醒し、最多勝と最優秀防御率の2冠で同級生・田中よりも先に沢村賞を受賞しました。金子もパ・リーグ最多の17勝で、投球回数や奪三振数も素晴らしいですが、やはり防御率が少し高すぎますね。

 
2011

田中将大(楽天)
27試合 14完投 19勝5敗 .792 防1.27 226.1回 241奪三振(7)

ダルビッシュ有(日本ハム)
28試合 10完投 18勝6敗 .750 防1.44 232.0回 276奪三振(7)

吉見一起(中日)
28試合 *5完投 18勝3敗 .857 防1.65 190.2回 120奪三振(4)

田中とダルビッシュのハイレベルすぎる沢村賞争いは素晴らしいですが、逆に「違反球」の酷さを物語っているような気がします。吉見の成績も凄いんですがね…。

 
2013

田中将大(楽天)
27試合 *8完投 24勝0敗1S 1.000 防1.27 212.0回 183奪三振(6)

金子千尋(オリックス)
29試合 10完投 15勝8敗*S *.652 防2.01 223.1回 200奪三振(7)

何度見ても(いい意味で)気持ち悪い成績を残した田中が2回目の受賞。金子は選考基準全項目クリアで、7項目中4項目で田中を上回っているのですが、この年に関してはそんなことどうでもいいです 笑

 
以上延べ11人です。いかがだったでしょうか。

来年の沢村賞は一体誰だ?

3回に渡って、合計延べ36人の投手をご紹介してきました。

みな素晴らしい成績を残していますが、選考基準全項目をクリアしても、19勝しても、防御率1点台でも、獲れない時は獲れないのが沢村賞です。

今季の菊池雄星(西武)も、あの成績(16勝6敗、防御率1.97)で受賞できなかったのは少し気の毒ですが、気持ちを切り替えてまた来年頑張ってほしいです。

ちなみに沢村賞には「受賞経験者よりも受賞経験なしの投手の方が有利」という謎設定(?)がありますので、来年は今季の受賞者・菅野智之(巨人)よりも少し有利です 笑

今回振り返った記録を見てもわかるように、沢村賞は大体その時代ごとに決まったメンバーの中で争われます。いい投手は何度も優秀な成績を残すからです。

そういう意味では、来年の沢村賞候補もすでにある程度絞られていると言っていいでしょう。

当然最有力は今季沢村賞を争った菅野と菊池でしょうが、その他だと則本昂大(楽天)、岸孝之(楽天)、ジョンソン(広島)あたりが候補でしょうか。

千賀滉大(ソフトバンク)、田口麗斗(巨人)、今永昇太(DeNA)など、すでに力のある若い投手がさらに覚醒して沢村賞を受賞する可能性も十分あります。

さあ、来年は一体どの投手が「先発投手最高の栄誉」を手にするでしょうか。


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