2017年11月20日に行われる「NPB AWARDS 2017」にて、いよいよ今季の新人王が発表されます。一体どの選手が選ばれるのでしょうか。
ところで新人王と言えば、気になるのはやはり「2年目のジンクス」です。
新人王の翌年の成績 2007~2011
昨年までの過去30年間(1987~2016年)の新人王たちの、新人王を受賞した年(上)とその翌年(下/赤文字)の成績を3回に渡ってご紹介しています。
前々回、前回に引き続き、最終回は2007~2016年の新人王たちをご紹介します。
※最後に新人王の翌年の成績が前年と比べてどうだったのかをまとめています。(【↑】がアップ、【→】が横ばい、【↓】がダウンです。)
2007年
セ 上園啓史(阪神)
2007 8勝5敗 防2.42 85.2回
2008 4勝0敗 防3.14 43.0回
パ 田中将大(楽天)
2007 11勝7敗*S 防3.82 186.1回
2008 *9勝7敗1S 防3.49 172.2回
2008年
セ 山口鉄也(巨人)
2008 11勝2敗2S 防2.32 73.2回
2009 *9勝1敗4S 防1.27 78.0回
パ 小松聖(オリックス)
2008 15勝3敗 防2.51 172.1回
2009 *1勝9敗 防7.09 *91.1回
2009年
セ 松本哲也(巨人)
2009 .293 0本 15打点 OPS.665
2010 .287 0本 22打点 OPS.672
パ 攝津正(ソフトバンク)
2009 5勝2敗*S 防1.47 79.2回
2010 4勝3敗1S 防2.30 82.1回
2010年
セ 長野久義(巨人)
2010 .288 19本 52打点 OPS.821
2011 .316 17本 69打点 OPS.847
パ 榊原諒(日本ハム)
2010 10勝1敗*S 防2.63 72.0回
2011 *1勝3敗0S 防1.66 59.1回
2011年
セ 澤村拓一(巨人)
2011 11勝11敗 防2.03 200.0回
2012 10勝10敗 防2.86 169.2回
パ 牧田和久(西武)
2011 *5勝7敗22S 防2.61 127.2回
2012 13勝9敗**S 防2.43 178.0回
新人王の翌年の成績 2012~2016
2012年
セ 野村祐輔(広島)
2012 *9勝11敗 防1.98 172.2回
2013 12勝*6敗 防3.74 149.1回
パ 益田直也(ロッテ)
2012 2勝2敗*1S 防1.67 75.1回
2013 2勝6敗33S 防2.76 62.0回
2013年
セ 小川泰弘(ヤクルト)
2013 16勝4敗 防2.93 178.0回
2014 *9勝6敗 防3.66 108.1回
パ 則本昂大(楽天)
2013 15勝*8敗 防3.34 170.0回
2014 14勝10敗 防3.02 202.2回
2014年
セ 大瀬良大地(広島)
2014 10勝8敗*S 防4.05 151.0回
2015 *3勝8敗2S 防3.13 109.1回
パ 石川歩(ロッテ)
2014 10勝*8敗 防3.43 160.0回
2015 12勝12敗 防3.27 178.2回
2015年
セ 山崎泰晃(DeNA)
2015 2勝4敗37S 防1.92 56.1回
2016 2勝5敗33S 防3.59 57.2回
パ 有原航平(日本ハム)
2015 *8勝6敗 防4.79 103.1回
2016 11勝9敗 防2.94 156.0回
2016年
セ 高山俊(阪神)
2016 .275 8本 65打点 OPS.707
2017 .250 6本 24打点 OPS.669
パ 高梨裕稔(日本ハム)
2016 10勝2敗 防2.38 109.2回
2017 *7勝7敗 防3.68 117.1回
【↑】…7人/山口、長野、榊原、牧田、則本、石川、有原
【→】…4人/田中、松本、攝津、益田)
【↓】…9人/上園、小松、澤村、野村、小川、大瀬良、山崎、高山、高梨
今回は、明らかに前回までと違う結果が出ました。成績が上がった選手が一気に増えて、なんと7人もいます。横ばいが4人で、成績が下がった選手が9人。
「2年目のジンクス」の発動率(?)は、50%以下にまで下がっています。
「巨人・新人王4人衆」はみな翌年も活躍!
まず特筆すべきなのは、2008年から2011年までセ・リーグ新人王を独占した巨人勢。1チームが4年連続で新人王を輩出したのは、史上初でした。(それまでは広島の1984~86年の3年連続が最長。)
4人とも翌年もしっかりとチームの戦力となっており、特に山口は最優秀中継ぎ投手、長野は首位打者のタイトルをそれぞれ獲得しています。
1年目に先発、抑えを両方こなして新人王を獲得した牧田は、2年目は完全に先発に固定され、チームトップの13勝。投球回数は大幅に増え、防御率も良くなりました。
有原は8勝、防御率4.79とやや低レベルな成績での新人王獲得でしたが、2年目はチームトップの11勝、防御率も2.94と格段に成績が上がりました。
則本は、2年目に勝利数こそ1つ減ってしまいましたが、投球回数と奪三振数を大幅に増やし、田中将大(現ヤンキース)のメジャーリーグ移籍後の楽天のエースとして名乗りを上げた一年でした。
成績が下がった選手を見ても、澤村、野村は2ケタ勝利を挙げていますし、山崎は史上初の新人の年から2年連続30セーブを記録するなど、それなりに立派な成績を残している選手が多いです。
残念ながら全く戦力にならなかったのは、上園と小松くらいでしょうか。
「新人王の呪い」(?)は年を追うごとに、確実に弱くなっている気がします。
さて、今季の新人王は大方の予想通り京田陽太(中日)と源田壮亮(西武)で決まりなのか。そして、選ばれた選手たちは来年以降も活躍できるのか。楽しみにしたいと思います。
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