「勝ち星2位じゃダメですか?」3/「エース」はやっぱり最多勝!

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昔、政治の世界で「2位じゃダメですか?」という言葉が話題になりましたが、まさに「2位じゃダメ」なことが多いのがプロ野球の世界ではないでしょうか。

特に絶対「2位じゃダメ」なのが「個人タイトル争い」です。

何百人もいる現役プロ野球選手の中のその年の「2位」ですから相当凄いはずなのですが、残念ながら「2位」では球史に名前が残ることはありません。

そこで「2位じゃダメですか?」と題して、過去「個人タイトル争い」で惜しくも2位に終わった選手たちにスポットを当ててひたすら懐かしむ、ということをやってみたいと思います 笑

前々回前回に引き続き、惜しくも最多勝を逃した「勝ち星2位」の投手たちをご紹介します。

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「勝ち星2位」の男たち 2008~2012

過去30年間(1988~2017年)のセ・パ両リーグそれぞれの「勝ち星2位」だった投手を3回に渡ってご紹介しています。

最終回は、2008~2017年の「勝ち星2位」の投手たちです。

※最多勝の投手が複数いる場合は、その投手たちに次ぐ勝ち星を記録した投手をご紹介します。

2008
セ ルイス(広島)
15勝8敗 防2.68 178.0回 183奪三振 WHIP1.00

パ ダルビッシュ有(日本ハム)
16勝4敗 防1.88 200.2回 208奪三振 WHIP0.90

最多勝はセがグライシンガー(巨人)で17勝、パが岩隈久志(楽天)で21勝。ルイスは年間を通して安定した投球で15勝し、最多奪三振を獲得。2年後にメジャー復帰して2ケタ勝利を4回記録しました。ダルビッシュは前年に続いて防御率1点台も最多勝ならず。防御率も2年連続僅差での2位でした。 

 
2009

セ ゴンザレス(巨人)
15勝2敗 防2.11 162.0回 113奪三振 WHIP0.98

パ ダルビッシュ有(日本ハム)
15勝5敗 防1.73 182.0回 167奪三振 WHIP0.90

パ 田中将大(楽天)
15勝6敗 防2.33 189.2回 171奪三振 WHIP1.12

パ 杉内俊哉(ソフトバンク)
15勝5敗 防2.36 191.0回 204奪三振 WHIP1.09

最多勝はセが吉見一起(中日)と館山昌平(ヤクルト)で16勝、パが涌井秀章(西武)で16勝。前年1勝でヤクルトから移籍したゴンザレスは「大化け」して15勝。抜群の安定感でした。ダルビッシュは3年連続防御率1点台でようやく最優秀防御率獲得も、最多勝はならず。田中は3年目で初の15勝。この年あたりからひと皮むけ始めました。杉内もさすがの好成績。2年連続の最多奪三振を獲得しました。

 
2010

セ 久保康友(阪神)
14勝5敗 防3.25 202.1回 158奪三振 WHIP1.13

パ 杉内俊哉(ソフトバンク)
16勝7敗 防3.55 182.2回 218奪三振 WHIP1.25

最多勝はセが前田健太(広島)で15勝、パが和田毅(ソフトバンク)と金子千尋(オリックス)で17勝。ロッテから移籍2年目の久保は初の200投球回で、キャリアハイとなる14勝。この年の阪神のエースでした。杉内は防御率はやや高かったものの2年連続の勝ち星2位。奪三振数もリーグ2位でした。

 
2011

セ バリントン(広島)
13勝11敗 防2.42 204.1回 136奪三振 WHIP1.11

パ ダルビッシュ有(日本ハム)
18勝6敗 防1.44 232.0回 276奪三振 WHIP0.83

最多勝はセが吉見一起(中日)と内海哲也(巨人)で18勝、パが田中将大(楽天)とホールトン(ソフトバンク)で19勝。バリントンは前半戦だけで9勝。後半崩れたものの200投球回をクリアしました。ダルビッシュはこれで3回目の勝ち星2位で、防御率も3回目の2位。意外と「2位の男」でした。

 
2012

セ 前田健太(広島)
14勝7敗 防1.53 206.1回 171奪三振 WHIP0.99

パ 吉川光夫(日本ハム)
14勝5敗 防1.71 173.2回 158奪三振 WHIP0.88

最多勝はセが内海哲也(巨人)で15勝、パが摂津正(ソフトバンク)で17勝。前田は前年の防御率が2.46と「違反球」の年にしては平凡でしたが、この年は1.53で最優秀防御率を獲得しました。吉川は完全に「違反球」を味方につけて(?)最優秀防御率獲得。この頃の雄姿はどこにいったのでしょう。

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「勝利数2位」の男たち 2013~2017

2013
セ 前田健太(広島)
15勝7敗 防2.10 175.2回 158奪三振 WHIP0.96

パ 金子千尋(オリックス)
15勝8敗 防2.01 223.1回 200奪三振 WHIP1.00

パ 摂津正(ソフトバンク)
15勝8敗 防3.05 162.1回 146奪三振 WHIP1.11

パ 則本昂大(楽天)
15勝8敗 防3.34 170.0回 134奪三振 WHIP1.14

最多勝はセが小川泰弘(ヤクルト)で16勝、パが田中将大(楽天)で24勝。前田は3回目の最優秀防御率獲得もわずか1勝差で2年連続の勝ち星2位。金子は沢村賞の選考基準全項目クリアの好成績も最多勝ならず。沢村賞も逃しました。攝津は2年連続15勝以上も、この頃から勤続疲労が見え始めました。則本は14年ぶりの新人15勝。パ・リーグは「あの人」のせいで、2位でもなんと1位と9勝差でした 苦笑

 
2014

セ 菅野智之(巨人)
12勝5敗 防2.33 158.2回 122奪三振 WHIP1.10

セ 久保康友(DeNA)
12勝6敗 防3.33 178.1回 119奪三振 WHIP1.32

パ 則本昂大(楽天)
14勝10敗 防3.02 202.2回 204奪三振 WHIP1.12

最多勝はセがメッセンジャー(阪神)と山井大介(中日)で13勝、パが金子千尋(オリックス)で16勝。菅野は最優秀防御率獲得も、シーズン終盤の離脱が響き12勝止まり。DeNAにFA移籍した久保もシーズン終盤は「ムエンゴ」で勝ち星が伸びず。則本は新人から2年連続で勝ち星2位となりました。

 
2015

セ ジョンソン(広島)
14勝7敗 防1.85 194.1回 150奪三振 WHIP1.10

セ 藤浪晋太郎(阪神)
14勝7敗 防2.40 199.0回 221奪三振 WHIP1.23

パ 武田翔太(ソフトバンク)
13勝6敗 防3.17 164.2回 163奪三振 WHIP1.22

最多勝はセが前田健太(広島)で15勝、パが大谷翔平(日本ハム)と涌井秀章(ロッテ)で15勝。ジョンソンは前田を凌ぐ防御率1.85で最優秀防御率を獲得。藤浪はシーズン最終登板で打たれ、惜しくも最多勝と200投球回を逃しました。今ごろは大エースになっていてもおかしくなかったのですが…。

 
2016

セ ジョンソン(広島)
15勝7敗 防2.15 180.1回 141奪三振 WHIP1.13

パ 石川歩(ロッテ)
14勝5敗 防2.16 162.1回 104奪三振 WHIP1.01

パ 武田翔太(ソフトバンク)
14勝8敗 防2.95 183.0回 144奪三振 WHIP1.27

最多勝はセが野村祐輔(広島)で16勝、パが和田毅(ソフトバンク)で15勝。ジョンソンは2年続けて同僚に1勝差で最多勝を奪われてしまいました。石川は新人から3年連続2ケタ勝利で最優秀防御率を獲得。武田は前年に続いての2ケタ勝利を記録。石川と武田は昨年の不振から脱却できるでしょうか。

 
2017

セ 薮田和樹(広島)
15勝3敗 防2.58 129.0回 115奪三振 WHIP1.19

パ 則本昂大(楽天)
15勝7敗 防2.57 185.2回 222奪三振 WHIP1.06

最多勝はセが菅野智之(巨人)で17勝、パが菊池雄星(西武)と東浜巨(ソフトバンク)で16勝。薮田は5/30に中継ぎから先発に転向し、それ以降12勝2敗と驚異的な勝率を誇りました。則本は8試合連続2ケタ奪三振を記録するなどキャリアハイも、これでプロ5年間で3回目の勝ち星2位となりました。

「エース」はやっぱり最多勝!

今回の期間(2008~2017年)で今までと比べて特徴的なのは、勝ち星2位の投手に最優秀防御率を獲得した投手が多いということです。(何回「最優秀防御率」という文字を打ったことか… 苦笑)

特に前田は2012、2013年と2年続けて防御率1位でしたが、どちらも1勝差で最多勝を逃しました。とは言え、前田は2010年、2015年と最多勝獲得の年も2回あります。

前田は覚醒した2010年から2015年までの6年間で最多勝2回、最優秀防御率3回、最多奪三振2回で沢村賞2回と、まさにタイトルコレクターと呼んでもいいほどの「タイトル運」を持っていました。

逆に意外と「タイトル運」がなかったのがダルビッシュ。ダルビッシュは2007年から2011年まで5年連続防御率1点台という驚異的な記録を残しましたが、勝ち星2位が3回でなんと最多勝はなし。

最優秀防御率は2回獲得しましたが、2位も3回。最多奪三振こそ3回獲得したものの、沢村賞受賞は1回のみ。その圧倒的な実力のわりにいまいちタイトルには恵まれませんでした。

他に気の毒な投手と言えば久保でしょう。勝ち星2位を2回記録していますが、どちらも1位とはわずか1勝差。結局生涯獲得タイトルはありません。(新人王は受賞しています。)

さて、今年は最多勝をめぐってどんな泣き笑いが見られるでしょうか。

近年「勝ち星は運の要素が強く、投手の実力を計る指標としては欠陥がある。」というようなことが言われたりもしますが、最多勝ほど「エース感」を感じさせるタイトルはありません。

昨年初の最多勝を獲得した菅野も、それまで最優秀防御率のタイトルは2回獲っていましたが、やはりどこかエースとしては物足りない感じがしていました。

最多勝というタイトルには、投手のイメージを変えるくらいの大きな魅力があると思います。

個人的にはプロ5年間で3回勝ち星2位に甘んじている則本が、今年もうひと皮むけて最多勝はもちろん、沢村賞を受賞するくらいの投手になることを期待しています。

注:私が楽天ファンということではありません。


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