「勝利数2位じゃダメですか?」2/安定して勝ち続けた西口と井川

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昔「2位じゃダメですか?」という言葉が流行りましたが、まさに「2位じゃダメ」なことが多いのが、プロ野球の世界です。

特に「2位じゃダメ」なのが、個人タイトルです。

何百人もいる現役プロ野球選手の中でその年の2位だから相当凄いはずなのですが、残念ながらそのことで球史に名前が残ることはありません。

そこで「2位じゃダメなんですか?」と題して、過去、個人タイトルで2位だった選手たちにスポットを当ててひたすら懐かしむ、ということをやってみたいと思います 笑

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「勝利数2位」の男たち 1998~2002

今回のテーマは前回に引き続き、惜しくも最多勝を逃してしまった「勝利数2位」の投手たちです。

過去30年間(1988~2017年)のセ・パ両リーグそれぞれの「勝利数2位」だった投手を10年分ずつ3回に分けてご紹介します。

今回は、1998~2007年の「勝利数2位」の投手たちです。なお、最多勝の投手が複数いる場合は、その投手たちに次ぐ勝利数を記録している投手をご紹介します。

1998
セ 桑田真澄(巨人)
16勝5敗 防4.08 181.0回 116奪三振 WHIP1.34

パ 岩本勉(日本ハム)
11勝8敗 防4.11 181.2回 110奪三振 WHIP1.35

最多勝はセが川崎憲次郎(ヤクルト)で17勝、パが黒木知宏(ロッテ)、西口文也(西武)、武田一浩(ダイエー)で13勝。桑田はこれで過去30年間でなんと4回目の勝利数2位となりました。岩本はリーグ10勝一番乗りも後半崩れて11勝。桑田、岩本どちらも防御率がリーグで下から2番目でした。

 
1999

セ 野口茂樹(中日)
19勝7敗 防2.65 203.2回 145奪三振 WHIP1.32

パ 黒木知宏(ロッテ)
14勝10敗 防2.50 212.2回 171奪三振 WHIP1.09

パ 西口文也(西武)
14勝10敗 防3.41 179.1回 141奪三振 WHIP1.09

パ 篠原貴行(ダイエー)
14勝1敗 防1.25 79.1回 80奪三振 WHIP0.90

最多勝はセが上原浩治(巨人)で20勝、パが松坂大輔(西武)で16勝。野口は19勝でMVPを受賞するも、最多勝は新人の上原に阻まれました。パも新人の松坂が最多勝。黒木はこの年が一番出来のいい年で、松坂とも熱い投げ合いを演じました。西口は2勝差で惜しくも3年連続の最多勝はならず。篠原はセットアッパーとして開花。なんとリリーフだけで開幕14連勝という凄まじい記録を残しました。

 
2000

セ メイ(巨人)
12勝7敗 防2.95 155.1回 165奪三振 WHIP1.05

セ 工藤公康(巨人)
12勝5敗 防3.11 136.0回 148奪三振 WHIP1.05

セ ミンチー(広島)
12勝10敗 防3.49 183.0回 97奪三振 WHIP1.39

パ 小野晋吾(ロッテ)
13勝5敗 防3.45 167.0回 96奪三振 WHIP1.40

最多勝はセがバンチ(中日)で14勝、パが松坂大輔(西武)で14勝。メイ、工藤の巨人・左腕コンビはともに移籍1年目で12勝を挙げて日本一に貢献。工藤はこれで過去30年間で3回目の勝利数2位となりました。ミンチーはリーグ2位の183回を投げ12勝、イニングイーターぶりを発揮しました。小野は7年目の覚醒。日曜日に9連勝を記録し「サンデー晋吾」と呼ばれる活躍で勝率はリーグ1位でした。

 
2001

セ 入来祐作(巨人)
13勝4敗1S 防3.71 162.1回 137奪三振 WHIP1.24

パ 西口文也(西武)
14勝9敗 防4.35 165.1回 143奪三振 WHIP1.49

最多勝はセが藤井秀悟(ヤクルト)で14勝、パが松坂大輔(西武)で15勝。入来は唯一の2ケタ勝利。以前の記事でご紹介した通りこの年は兄・入来智(ヤクルト)も10勝で、オールスターゲームでは兄弟継投を演じました。西口はまたも松坂に及ばず。エースの座は徐々に松坂へと移っていきました。

 
2002

セ 井川慶(阪神)
14勝9敗 防2.49 209.2回 206奪三振 WHIP1.03

パ ミンチー(ロッテ)
15勝14敗 防2.85 230.1回 132奪三振 WHIP1.15

パ 西口文也(西武)
15勝10敗 防3.51 182.0回 180奪三振 WHIP1.19

最多勝はセが上原浩治(巨人)、ホッジス(ヤクルト)で17勝、パがパウエル(近鉄)で17勝。井川はこれが初の2ケタ勝利。翌年20勝しますが、この年の方がいい投球をしていたと思います。ミンチーは実に「スタミナお化け」らしい成績。それでいてリーグ3位の防御率2.85は見事です。西口は松坂が怪我で離脱する中、5年ぶりの15勝でリーグ優勝に貢献。これで4回目の勝利数2位となりました。

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「勝利数2位」の男たち 2003~2007

2003
セ 上原浩治(巨人)
16勝5敗 防3.17 207.1回 194奪三振 WHIP1.03

パ 松坂大輔(西武)
16勝7敗 防2.83 194.0回 215奪三振 WHIP1.18

パ ミラバル(日本ハム)
16勝11敗 防4.65 193.2回 103奪三振 WHIP1.56

最多勝はセが井川慶(阪神)で20勝、パが斉藤和巳(ダイエー)で20勝。前年最多勝の上原は2年連続200回を投げ16勝、安定感抜群でした。松坂は斉藤と同じ投球回数を投げ全く同じ防御率も、勝利数で4つの差がつきました。ミラバルは防御率はリーグ最下位も193.2投球回。スタミナは見事でした。

 
2004

セ 井川慶(阪神)
14勝11敗 防3.73 200.1回 228奪三振 WHIP1.22

パ 金村(日本ハム)
13勝8敗 防3.93 167.1回 114奪三振 WHIP1.36

最多勝はセが川上憲伸(中日)で17勝、パが岩隈久志(近鉄)で15勝。井川は前年よりも成績は落ちましたが、3年連続200投球回でノーヒットノーランも達成しました。金村はダルビッシュ有の一つ前の日本ハムのエース。存在はやや地味(?)でしたが、4年連続2ケタ勝利を記録した実力者でした。

 
2005

セ 井川慶(阪神)
13勝9敗 防3.86 172.1回 145奪三振 WHIP1.50

パ 西口文也(西武)
17勝5敗 防2.77 172.0回 137奪三振 WHIP1.11

最多勝はセが黒田博樹(広島)と下柳剛(阪神)で15勝、パが杉内俊哉(ソフトバンク)で18勝。井川はこの年は二軍落ちするなど不調でしたがそれでも13勝。こういう投手の存在は本当に大きいと思います。西口は自己最多の17勝も最多勝にはあと1勝足りず。なんとこれで5回目の勝利数2位です。

 
2006

セ 井川慶(阪神)
14勝9敗 防2.97 209.0回 194奪三振 WHIP1.10

パ 松坂大輔(西武)
17勝5敗 防2.13 186.1回 200奪三振 WHIP0.92

最多勝はセが川上憲伸(中日)で17勝、パが斉藤和巳(ソフトバンク)で18勝。井川はこれで3年連続4回目の勝利数2位。この年限りでメジャーリーグに移籍しますが、もしこのまま日本にいたらあと何勝したのでしょうか?苦笑 松坂もこの年メジャー移籍。防御率と奪三振数も斉藤に次ぐ2位でした。

 
2007

セ 高橋尚成(巨人)
14勝4敗 防2.75 186.2回 141奪三振 WHIP1.17

セ 内海哲也(巨人)
14勝7敗 防3.02 187.2回 180奪三振 WHIP1.23

セ 中田賢一(中日)
14勝8敗 防3.59 170.1回 177奪三振 WHIP1.40

パ 成瀬善久(ロッテ)
16勝1敗 防1.82 173.1回 138奪三振 WHIP0.92

最多勝はセがグライシンガー(ヤクルト)で16勝、パが涌井秀章(西武)で17勝。高橋は6月中に10勝到達も後半崩れて14勝止まり。しかし最優秀防御率を獲得。内海は現在の打たせて取るスタイルとは違い、この頃は力投派で最多奪三振を獲得。中田は自己最多の14勝。将来は中日のエースになると思いましたが…。成瀬はパ・リーグ相手には無敗という驚異的な投球で最優秀防御率を獲得しました。

コンスタントに勝ち続けた西口と井川

まずは、西口と井川に触れなくてはならないでしょう。

なんと西口は5回、井川は4回も勝利数2位を記録しています。しかし、前回の記事でご紹介した桑田、星野、工藤と違うのは、2人とも最多勝も獲得している(西口2回、井川1回)というところ。

要するに西口も井川も、安定してハイレベルな勝利数を記録し続けたということです。

西口は、1999年に新人で最多勝を獲った松坂にその後エースの座こそ奪われてしまいましたが、派手に活躍する松坂の陰でしっかりと勝ち星を積み重ね、通算182勝。現在164勝の松坂を凌いでいます。

逆に井川は以前の記事でご紹介した通り、2006年オフにメジャー移籍して以降は日本球界復帰後も含めてわずか9勝。まさか井川が通算95勝と、100勝にも届かずに終わるとは思いませんでした。

桑田と工藤は、この期間も1回ずつ勝利数2位を記録しました。2ケタ勝利は桑田が通算10回、工藤が13回も記録しましたが、この2人はついに最後まで最多勝とは縁がありませんでした。

2007年のパ・リーグは、最多勝が涌井で2位が成瀬。さらに1勝差の15勝でダルビッシュが続き、この年がプロ1年目の田中将大(楽天)も11勝で新人王を受賞。

斉藤や松坂に代わり、いよいよパ・リーグの若きエースたちが主役の座に躍り出る時代の到来です。

次回は2008~2017年の「勝利数2位」の投手たちをご紹介します。


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