巨人「クローザー」の歴史4/昔を思えば「劇場型」でもいいじゃない!

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2009年にメジャー移籍して一度は「先発失格」の烙印を押されながら、持ち前の「雑草魂」で2013年にはレッドソックスのクローザーとしてワールドシリーズの胴上げ投手にまで登り詰めた上原浩治。

その上原の古巣・巨人への復帰が濃厚であるという情報(実際3月9日に巨人入団)をきっかけに、これまでの巨人の「クローザー受難」の歴史を振り返ってきました。

関連記事:上原浩治、10年ぶりの巨人復帰濃厚か?/巨人「クローザー」の歴史1
関連記事:巨人「クローザー」の歴史2/「勝利の方程式」崩壊から全ては始まった…
関連記事:巨人「クローザー」の歴史3/上原の成功で「クローザー受難」解消!

今回はいよいよ最終回。最近5年間の巨人の「クローザー事情」を振り返ります。

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巨人「クローザー」の歴史 2013~2017

昨年までの過去30年間(1988~2017年)のそれぞれの年で、巨人で最も多くのセーブ数を記録した投手を4回に渡ってご紹介しています。

なお今回は、通算セーブ数の日本記録を持つ岩瀬仁紀を生み出すなど、歴史的に優秀なクローザーを数多く輩出してきた中日を比較対象としながらお伝えしていきます。

最終回は2013~2017年の記録です。

2013年
巨人 42セーブ/西村健太朗
71試合 4勝3敗42S 防1.13 71.2回 71奪三振 WHIP1.09

中日 36セーブ/岩瀬仁紀
55試合 2勝3敗36S 防1.86 53.1回 37奪三振 WHIP1.26

西村が球団史上初の2年連続30セーブ、そして球団新記録となる42セーブで最多セーブ投手を獲得と記録づくめでした。中日も岩瀬が自身の持つプロ野球記録を更新する9年連続30セーブ、さらに佐々木主浩(元横浜他)を上回る歴代最多の通算382セーブを記録。こちらも記録づくめでした。

 
2014年

巨人 30セーブ/マシソン
64試合 6勝6敗30S 防3.58 65.1回 75奪三振 WHIP1.26

中日 20セーブ/岩瀬仁紀
34試合 1勝2敗20S 防3.52 30.2回 18奪三振 WHIP1.53

開幕は西村がクローザーを務めましたが、4月半ばに救援失敗が続くとすぐにマシソンと配置転換。マシソンも決して万全ではありませんでしたが、それでも30セーブを記録しました。中日は岩瀬が史上初の通算400セーブを達成。しかし左ひじの張りで8月に戦線離脱し20セーブに終わりました。

 
2015年

巨人 36セーブ/澤村拓一
60試合 7勝3敗36S 防1.32 68.1回 60奪三振 WHIP1.16

中日 19セーブ/福谷浩司
42試合 3勝4敗19S 防4.05 40.0回 25奪三振 WHIP1.45

2013、2014年と先発で2年連続5勝に終わった澤村がクローザーに転向。36セーブ、防御率1.32は見事でしたが、走者を出すことが多く数字ほどの安定感はありませんでした。中日は岩瀬が故障で初の一軍登板なし。福谷が19セーブ、田島慎二が9セーブとクローザーを固定できませんでした。

 
2016年

巨人 37セーブ/澤村拓一
63試合 6勝4敗37S 防2.66 64.1回 55奪三振 WHIP1.27

中日 17セーブ/田島慎二
59試合 3勝4敗17S 防2.44 59.0回 61奪三振 WHIP1.27

澤村がキャリアハイの37セーブを記録して最多セーブ投手を獲得。しかしエース・菅野智之の勝ち星を3つ消し、さらに後半戦は打ち込まれるなど前年以上に不安定でした。中日は開幕から31試合連続無失点を記録した田島が5月にセットアッパーからクローザーに昇格。17セーブを挙げました。

 
2017年

巨人 29セーブ/カミネロ
57試合 3勝5敗29S 防2.42 63.1回 65奪三振 WHIP1.25

中日 34セーブ/田島慎二
63試合 2勝5敗34S 防2.87 62.2回 46奪三振 WHIP1.04

新外国人・カミネロは8/9まで19セーブを挙げながら防御率3.32と投球内容はいまいち。しかし翌日以降はシーズン終了まで17試合で1失点と抜群の安定感でした。中日は田島が初の30セーブ達成も巨人戦は防御率9.58。しかし巨人以外のチーム相手には防御率1.55と抜群の安定感でした 苦笑

昔を思えば「劇場型」でもいいじゃない!

セットアッパーのスコット・マシソンと山口鉄也、そしてクローザーの西村健太朗の3人で結成された巨人鉄壁のリリーフトリオ、その名(?)も「スコット鉄太朗」。

2012年も3人合わせて181試合に登板して防御率1.15と驚異的な数字を残しましたが、なんと2013年は198試合に登板して防御率1.13。驚くことに「スコ鉄」はさらにパワーアップしてしまいました 笑

特に西村は球団新記録となる42セーブ。クローザーが30セーブを挙げることすらなかなか難しい時代が長く続いた巨人にとって、これはまさに夢のような(?)出来事でした 苦笑

その後クローザーを務めたマシソン、澤村、カミネロと全員がやや「劇場型」だったのは少し気になりますが 苦笑、やっと巨人のクローザーもある一定の結果を残せるようになりました。

巨人の「クローザー受難」はとりあえず解消されていると言っていいでしょう。

一方の中日は、長かった「岩瀬の時代」がついに終わりました。

新人だった1999年から5年間で294試合に登板し防御率1.85と「最強・セットアッパー」の名をほしいままにしていた岩瀬が、2004年にクローザーに転向すると知った時のワクワクは今も忘れません。

岩瀬はクローザーになった後も淡々と結果を残し続けました。1年目からの連続50試合登板記録は15年まで伸ばし、9年連続30セーブ、最多セーブ投手を5回獲得、そして歴代最多となる通算404セーブ。

「最強・セットアッパー」は当たり前のように「最強・クローザー」となりました。

中日は2011年に79試合に登板して45ホールド、防御率0.41という異次元の成績でMVPを受賞した浅尾拓也を「岩瀬と同じルート」で次のクローザーとして考えていたはずですが、浅尾は肩を故障。

浅尾は「最強・セットアッパー」にはなれましたが、「最強・クローザー」にはなれませんでした。

このことからも、いかに岩瀬が偉大で特別な存在であるかがお分かりいただけると思います。

岩瀬以降ややクローザーには苦しんでいる感のある中日ですが、これまで「名クローザー」を多数輩出してきた実績があるだけに今後も大いに期待したいと思います。

ちなみに、昨年までの過去30年間(1988~2017年)のそれぞれの年でチーム最多セーブを記録した投手の合計セーブ数は、巨人が650セーブで中日が852セーブ。

さらに最多セーブ投手(2004年までは最優秀救援投手)のタイトルの獲得回数は、巨人が4回で中日が9回。予想通り(?)どちらも大差がつきました 苦笑

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上原、巨人優勝のカギを握る存在に

10年ぶりに巨人に復帰した上原は、チームの「救世主」となることができるでしょうか。

現在巨人は、2015年から昨年まで3年連続でリーグ優勝を逃しています。もし今季も優勝を逃すと4年連続となり、これは2003~2006年以来2回目の球団ワースト記録となってしまいます。

この2003~2006年のいわゆる巨人の「暗黒時代」にエースを務めていたのが、何を隠そう上原です。

巨人という「常勝」を宿命づけられたチームが4年間も覇権を奪えなかった屈辱を誰よりも知る上原が、今回の電撃復帰により一気に今季の巨人優勝のカギを握る存在となりました。

ご存じの方も多いでしょうが、上原は1975年4月3日生まれ。高橋由伸監督と生年月日が同じです。

その高橋監督も2003~2006年の「暗黒時代」を当時の主力選手としてよく憶えているはずです。

もう二度とあの「暗黒時代」を再現しないために高橋監督が上原に託すのは、果たして7回でしょうか、8回でしょうか、9回でしょうか。

それがまだわからない今の状況で、今季の上原の成績を予想することはできません。しかしきっと上原は、数字以上の何かをチームにもたらしてくれることでしょう。

巨人が5年ぶりのリーグ優勝を飾り、あの「暗黒時代」がようやく終わりを告げた2007年、それまで「先発投手」だった上原はチームのために慣れない「クローザー」という役割を全うしました。

前回の記事でも述べたように、私はこの上原の2007年の奮闘が巨人の「クローザー受難」の流れを変えたと思っています。

今季セ・リーグの優勝候補筆頭はもちろんリーグ3連覇を狙う広島。次いで昨年日本シリーズに進出したDeNA、またはレギュラーシーズン2位の阪神というところでしょうか。

残念ながらどのメディアを見ても、巨人の優勝を予想する人はほとんどいません。

優勝から3年間も遠ざかり、ましてや昨年Bクラス(4位)にまで沈んでしまった巨人にはもはや「常勝」という言葉を使う資格はありません。

今巨人に必要なのは自らを弱者と認め、その上で逆境を跳ね返そうとする強い心。

まさに上原の代名詞でもある「雑草魂」です。

先ほど答えが出なかった高橋監督が同級生・上原に託したいこと。

それはもしかしたらどの回をゼロに抑えてほしいというようなことではなく、かつてメジャーリーグをも席巻したその熱き「雑草魂」を巨人ナインに伝承してもらうことなのかもしれません。


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