2017年のペナントレースもいよいよ大詰めです。
各チームの選手たちの今季の個人成績も、だいぶ最終形(?)が見え始めてきています。
それを「お。なかなかいい数字にまとめてきたな!」とか「この選手、意外に頑張ってるな~。」などと、あれこれつぶやきながらじっくり眺めるのが私の至福の時間です 笑
「超」大物打者2人の今季の成績がそっくり!
今夜、セ・リーグの打撃ランキングを眺めていたら、とある「超」大物打者2人の今季の打撃成績が現在、非常に酷似しているのを発見しました。
福留孝介(阪神)と阿部慎之助(巨人)です。
今季の2人の成績を比較してみましょう。
福留孝介(阪神)
.264(394-104)17本 69打点 66四死球 OPS.821
阿部慎之助(巨人)
.264(394-104)15本 71打点 42四死球 OPS.736
四死球数の違いなどもあり、OPSはだいぶ差がついていますが、打撃三部門の成績は、驚くほどほぼ同じ数字です。特に、打数と安打数が全く一緒 笑(ゆえに打率はもちろん同じです。)
数字だけを見てしまうと、かなり平凡な成績と言わざるを得ないのですが、福留は40歳、阿部は38歳と、ともにもう大ベテランの域です。
しかも2人とも、チームの主軸を担ってのこの成績。特に打点は、両者ともにチーム1位です。これは十分立派なのではないでしょうか。
本塁打は少なくても、やっぱり70打点を超えてくると、だいぶ成績の見栄えがいいですね。できれば2人とも「打率.270」と「80打点」を目指してもらいたいです。
福留と阿部の全盛期を振り返る
福留も阿部も、プロ野球ファンなら知らない者はいないレジェンド級の大打者です。
福留は昨年、阿部は今季通算2000本安打を達成しています。両者ともにタイトルも首位打者、MVP、ベストナインなど多数獲得。
福留のキャリアハイと言えば、やはり2006年になるでしょう。
2006 .351(496-174)31本 104打点 79四死球 OPS1.091
この年、2回目の首位打者を獲得し、本塁打も31本。福留のポテンシャルが如何なく詰め込まれた「長打力のあるアベレージヒッター」の究極形のような成績です。
しかも、広い広いナゴヤドームでこれ。その上強肩で、守備力も抜群でした。
そりゃ「イチローと松井を足して2で割った選手」って呼ばれるわけです 苦笑 メジャーリーグではもっとやれると思いましたが…。
一方、阿部のキャリアハイは、文句なしに2012年でしょう。
2012 .340(467-159)27本 104打点 78四死球 OPS.994
まだ、記憶に新しいこの年の成績。自身初の首位打者と打点王を獲得しました。
何が恐ろしいって、いわゆる「違反球」の年ですからね、この年は。31本塁打のバレンティン(ヤクルト)がいなければ、本塁打王と合わせて三冠王という凄まじさでした。
ちなみに、この年のパ・リーグ本塁打王は、中村剛也(西武)の27本ですから、阿部の三冠王は本当に惜しかったのです。
もしもこの年が「違反球」でなければ、一体どれくらいの成績を残したんだろう…。プロ野球ファンなら、誰もが一度は妄想したことでしょう。
さらに、さすがに知らない人はいないでしょうが、阿部は当時バリバリの捕手でした。次にこういう「打てる捕手」が出てくるのは、一体何年後になるのでしょうか。
近年は復活傾向にあった2人
しかし、福留も阿部も年齢を重ね、全盛期と比べると当然衰えました。
福留がメジャーリーグから帰ってきて阪神に入団した、2013年から昨年までの年度別成績はこちら。
2013 .198(212-*42)*6本 31打点 29四死球 OPS.630
2014 .253(312-*79)*9本 34打点 48四死球 OPS.714
2015 .281(495-139)20本 76打点 66四死球 OPS.824
2016 .311(453-141)11本 59打点 64四死球 OPS.845
それにしても、福留の日本球界復帰1年目の成績には目を疑いました。あの福留が打率1割台…。誰もが福留のことを、もう完全に選手として終わってしまったと思いました。
しかし福留は、翌2014年の終盤から、徐々に息を吹き返し始めます。
年を追うごとに右肩上がりで成績を上げていく様は、ネット上で「福留曲線」なる新語を生み出しました。OPSを見ると、まさに綺麗な右肩上がりです。
昨年は39歳で、先ほど触れた2006年以来、なんと10年ぶりとなる打率3割を達成しました。
一方、阿部の同じく2013年から昨年までの年度別成績はこちら。
2013 .296(422-125)32本 91打点 101四死球 OPS.991
2014 .248(459-114)19本 57打点 *65四死球 OPS.765
2015 .242(343-*83)15本 47打点 *72四死球 OPS.784
2016 .310(335-104)12本 52打点 *48四死球 OPS.850
2013年は二冠王を獲った前年に引き続き、存在感のある活躍を見せてくれました。
しかし2014年は、新人だった2001年以来13年ぶりに打率.250を切り、本塁打も8年ぶりに20本に届かないという、突然の大不振に陥ります。
翌2015年、本格的に一塁手にコンバートされ、守備の負担が軽くなる分打撃の復活が期待されましたが、12年ぶりに規定打席に届かないなど、なんとさらに成績は下がってしまいました。
昨年は前年に続いての規定打席未到達ながらも、ようやく打率3割を記録し、やや復活の兆しを見せていました。
大打者2人の渋~い晩年を楽しみたい!
福留も阿部も、今季はチームの開幕四番を任され、1年間のほとんどをその打順で過ごしてきました。
それで上述したあの打撃成績です。決して十分とは言えませんが、それでもベテランの意地のようなものは伝わってきます。
こういう全盛期を過ぎた大打者が、晩年に残す渋~い打撃成績も、個人成績フェチである私は決してキライではありません。
最近だとこのあたりでしょうか。
金本知憲(阪神・当時41歳)
2009 .261(518-135)21本 91打点 93四死球 OPS.822
小久保裕紀(ソフトバンク・当時39歳)
2010 .279(427-119)15本 68打点 38四死球 OPS.771
中村紀洋(DeNA・当時40歳)
2013 .281(431-121)14本 61打点 37四死球 OPS.761
福留も阿部も、あと何年現役を続けるのかはわかりません。しかし、私はこの大打者2人の渋~い晩年を、個人成績を通して楽しみたいと思います。
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