「リリーフ投手防御率・残酷物語」3/まさに神!「JFK」の「J」

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プロ野球の個人成績の中で、私が最も「はかない」と思うもの。

それは、たった一度の炎上で大きく悪化してしまう「リリーフ投手の防御率」です。

前々回前回と、これまで二回に渡ってご紹介した、リリーフ投手の防御率をめぐる数々のはかないエピソード。

題して「リリーフ投手防御率・残酷物語」。(このタイトルのセンスのなさに対するクレームは一切受け付けません 苦笑)

今回は、いよいよ最終回となる第三部をお伝えします。

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『まさに地獄!』松岡編

今回、最初のテーマは「まさに地獄!」です。ああ、話すのも恐ろしい… 苦笑

1人目は、今季がプロ13年目、35歳のベテラン中継ぎ投手、松岡健一(ヤクルト)です。

2008年に、65試合に登板、29ホールドで防御率1.39と素晴らしい成績を残した松岡。翌2009年も、セットアッパーとして6月まで防御率1点台と好投を続けていました。

しかし、7月に入ると徐々に打たれ始め、一時は防御率が3点台目前まで悪化したものの何とか持ち直し、シーズンの終盤を迎えようとしていました。

45試合 5勝0敗0S17H 防2.64 47.2回 48奪三振 WHIP1.20

松岡はここで、前回の記事でご紹介したテーマ『最後の最後で台無し…。』と『いつまで続くの連続失点…。』の合わせ技という「地獄」を見せてくれます。

8/27の試合から6試合の結果と防御率の推移がこちらです。

8/27   1.2回 自責点3  2.64 → 3.10
9/04   1.2回 自責点2  3.10 → 3.35
9/08   1.0回 自責点3  3.35 → 3.81
9/10   1.0回 自責点3  3.81 → 4.25
9/15   0.1回 自責点1  4.25 → 4.39
9/17   0.0回 自責点3  4.39 → 4.89

これを「地獄」と呼ばずして、何を「地獄」と呼ぶのでしょうか。実に6試合連続失点!は、はかない…。

この後1試合を1回無失点に抑える登板があって、そこでシーズンは終了しました。

2009年の松岡の最終成績はこちら。

52試合 6勝4敗0S17H 防4.72 55.1回 53奪三振 WHIP1.45

無残です。前年の防御率1.39の実に3倍以上の防御率…。

松岡の年度別成績表でこの年の成績を見た何も知らないファンからは「なんでこんな成績で52試合も投げさせてもらえたの?」なんて言われてしまいそうです。気の毒すぎます…。

『まさに地獄!』川岸編

2人目は、おそらく楽天ファンなら覚えているであろう右のサイドスロー、川岸強(当時楽天)です。

2006年に中日から戦力外通告され、その後楽天にテスト入団した川岸。2008年に才能が開花し、54試合に登板して防御率1.94をマークしました。

2009年は怪我もあり不調でしたが、翌2010年はクローザーに指名され、開幕から13試合連続無失点。5月が終わっても防御率0点台と絶好調でした。

20試合 2勝0敗8S2H 防0.90 20.0回 18奪三振 WHIP1.15

ここから4か月に渡る川岸の「地獄」を、一体どのようにご紹介すればいいのでしょう。

今までのように、ある一定の期間だけの話ではないので表記が難しいです。

とりあえず、6/2の試合以降大きな失点をした試合だけを抜粋し、それらの試合の結果と防御率の推移を振り返ってみたいと思います。

6/02   1.0回 自責点5  0.90 → 3.00
6/25   1.0回 自責点4  2.88 → 4.15
7/04   0.2回 自責点4  4.40 → 5.52
7/19   3.0回 自責点3  5.40 → 5.71
8/21   0.2回 自責点2  5.70 → 6.08
9/28   1.0回 自責点3  5.69 → 6.12

目を背けることなく、ご覧になることができましたか?苦笑

これは川岸が、6/2以降シーズン終了までに登板した29試合のうちの、ほんの6試合の記録です。0.90だった防御率が、約4か月後にはなんと6.12まで「爆上げ」してしまいました。は、はかない…。

2010年の川岸の最終成績はこちら。

49試合 2勝5敗13S4H 防6.12 50.0回 46奪三振 WHIP1.70

49試合に登板して13セーブを挙げた投手の防御率が6.12…。一体何が起こったのでしょう。滅多にお目にかかれない珍現象、いや怪奇現象です 苦笑

当時のブラウン監督は、どんな気持ちでこの川岸を起用し続けたのでしょうか。

ネットでただ個人成績をチェックするだけの楽天ファンでも何でもない私ですが、2010年の川岸が見せた「地獄」は今も生々しく覚えています。

当然というべきか、川岸は翌2011年には登板機会が12試合と激減。2012年は一度も一軍で投げることなく、シーズン終了後、球団から戦力外通告を受けて引退しました。

まさに「残酷物語」…。

『神かな?』ウィリアムス編

…それでは気を取り直して、最後のテーマ『神かな?』にいってみましょう!

このテーマで取り上げるのはただ1人。

阪神が誇った伝説の「JFK」の一角、ジェフ・ウィリアムス(当時阪神)です。

ウィリアムスは、藤川球児、久保田智之とともに「JFK」として、阪神の7回以降を守り続けてきた左の最強セットアッパーです。

2007年、ウィリアムスの投球はいつにも増して神がかっていました。投げても投げてもとにかく点を取られません。

なんとシーズンの自責点がわずか「1」のまま、9月半ばまで来てしまいました。

55試合 1勝2敗0S40H 防0.15 61.1回 59奪三振 WHIP0.77

…これ何すか?こんな防御率はゲームでも見たことがありません 苦笑

恐ろしいのは、これくらいの低い防御率になると、2回や3回を無失点に抑えたくらいでは防御率が良くならないのです。

9/07   1.0回 自責点0  0.15 → 0.15
9/15   1.0回 自責点0  0.15 → 0.15
9/17   1.0回 自責点0  0.15 → 0.15

冗談でも何でもありません。これは2007年に起きた現実の出来事です 笑

当然記録マニアたちは、この年のウィリアムスの快投に早くから注目し、最終的にどんな防御率でシーズンを終えるのだろうとざわざわしていました。

「今まで見たこともないような凄い防御率にお目にかかれる…。」誰もがそう信じて疑いませんでした。

ところが、さすがのウィリアムスもシーズン終盤で疲労が蓄積していたのか、記録マニアたちの夢を叶えることはできませんでした。

9/18の試合から5試合の結果と防御率の推移がこちらです。

9/18   1.0回 自責点1  0.15 → 0.29
9/23   1.0回 自責点2  0.29 → 0.57
9/24   0.1回 自責点0  0.57 → 0.57
9/28   1.0回 自責点0  0.57 → 0.56
10/1   0.2回 自責点3  0.57 → 0.96

信じられないことが起きてしまいました。シーズン最後の5試合中3試合に失点。

あっという間に防御率は、1点台目前の0.96まで悪化してしまいました。は、はかない…。

2007年のウィリアムスの最終成績はこちら。

60試合 1勝2敗0S42H 防0.96 65.1回 66奪三振 WHIP0.89

うん。「神かな?」笑

残念ながらこれは「見たこともないような」防御率ではありません。しかし、シーズン最後にあれだけ打ち込まれたのにもかかわらず、防御率は0点台です。

しかも、ウィリアムスは我々(?)記録マニアたちに夢を見させてくれました。

これはもう「神」と呼んでしまっても、差し支えないのではないでしょうか。

 
3回に渡ってお送りした「リリーフ投手防御率・残酷物語」、以上です。

リリーフ投手を評価する成績の中で、最も重視される防御率。しかし、これほど(悪い方への)変動の激しい数字はありません。

このリリーフ投手の防御率の「はかなさ」を、しっかりお伝えすることはできたでしょうか?

今後リリーフ投手の投球を見る時は、彼らの防御率の「はかなさ」を意識すると、より気持ちを込めて観戦できるはずです 苦笑

ぜひ、おすすめです。


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