「リリーフ投手防御率・残酷物語」2/ヤマヤスを襲った「魔の4日間」

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プロ野球の個人成績の中で、私が最も「はかない」と思うもの。

それは、たった一度の炎上で大きく悪化してしまう「リリーフ投手の防御率」です。

前回の記事で私がご紹介した、リリーフ投手の防御率をめぐる数々のはかないエピソード。

題して「リリーフ投手防御率・残酷物語」。(このタイトルのセンスのなさに対するクレームは一切受け付けません 苦笑)

今回は、第二部をお伝えしようと思います。

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『最後の最後で台無し…。』林編

今回、最初のテーマは『最後の最後で台無し…。』です。

1人目は、2008~2012年にクローザーとして活躍した韓国人投手、林昌勇(当時ヤクルト)です。

2008年、韓国球界からヤクルトに移籍して1年目の林は、開幕からクローザーとして起用され、9/4にはシーズン30セーブを達成。素晴らしい活躍を見せていました。

48試合 1勝4敗30S3H 防1.97 45.2回 42奪三振 WHIP1.18

ところが、シーズン終了が迫ってきた9/6以降、林が突然失点を重ねてしまいます。

9/6の試合から3試合の結果と防御率の推移がこちらです。

*9/06   1.0回 自責点1  1.97 → 2.12
*9/11   0.1回 自責点3  2.12 → 2.68
10/05   1.0回 自責点3  2.68 → 3.19

9/17に疲労から登録抹消となり、満を持して登板した10/5の試合でしたが、1回を投げて自責点3と炎上。防御率は無念の3点台に突入しました。は、はかない…。

シーズン終了まで、あとわずか1週間でした。

その後林は、3試合連続無失点で3セーブを挙げる意地を見せましたが、残念ながら防御率はギリギリ3点台を切ることはできませんでした。

2008年の林の最終成績はこちら。

54試合 1勝5敗33S3H 防3.00 51.0回 50奪三振 WHIP1.25

来日1年目で33セーブは素晴らしいです。林は本当によく頑張ったと思います。でもやはり、クローザーが防御率3点台はどうしても成績の見栄えが悪いです。

9月に入ってからも防御率1点台を守っていただけに、余計に悔しかったと思います。

『最後の最後で台無し…。』加藤編

2人目は、かつてクローザーやセットアッパーとして活躍した加藤大輔(当時オリックス)です。

2008年は、26セーブを挙げた前年に続いてチームのクローザーを務め、若干不安定ながらも自身初のシーズン30セーブを記録していました。

58試合 2勝3敗32S1H 防2.30 58.2回 61奪三振 WHIP1.09

クローザーとしてはギリギリ合格点といえる、2点台前半の防御率です。

しかし、シーズン終了まであと約2週間の9/15から、加藤の投球が乱れ始めてしまいます。

9/15の試合からシーズン最終登板までの5試合の結果と防御率の推移がこちらです。

9/15   0.2回 自責点2  2.30 → 2.58
9/16   1.0回 自責点0  2.58 → 2.54
9/17   1.0回 自責点4  2.54 → 3.08
9/23   1.0回 自責点1  3.08 → 3.18
9/27   0.2回 自責点1  3.18 → 3.29

なんと5試合中4試合で失点し、最後の最後で防御率が大きく悪化してしまいました。は、はかない…。

2008年の加藤の最終成績はこちら。

63試合 2勝5敗33S1H 防3.29 63.0回 65奪三振 WHIP1.22

この年172.1回を投げて15勝を挙げたチームの勝ち頭、小松聖の防御率が2.51ですから、それよりもクローザーの方が防御率が悪いという屈辱を味わってしまいました…。

最後の5試合で成績を落としただけに、非常に悔やまれる結果となりました。

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『いつまで続くの連続失点…。』高橋編

次のテーマは『いつまで続くの連続失点…。』です。もうテーマからしてはかなさ満点です 苦笑

1人目は、入団2年目でクローザーを任された左腕、高橋朋己(西武)です。

2014年にクローザーに抜擢され、29セーブを挙げた高橋。翌2015年も、開幕からクローザーとして安定感抜群の投球を見せていました。

33試合 1勝1敗21S4H 防1.93 33.2回 26奪三振 WHIP0.92

実は、6/24と7/2に2試合連続で合計自責点4と打ち込まれ、それまで0.93だった防御率が2.05まで悪化、いやな前兆のようなものはありました。

その後、2試合連続無失点を挟んで迎えた7/14の試合から悪夢は始まりました…。

7/14の試合から5試合の結果と防御率の推移がこちらです。

7/14   1.0回 自責点1  1.93 → 2.14
7/15   1.0回 自責点1  2.14 → 2.34
7/25   1.0回 自責点3  2.34 → 3.03
7/26   1.0回 自責点1  3.03 → 3.19
7/31   1.0回 自責点1  3.19 → 
3.35

打ちも打たれたり、なんと5試合連続失点!

もう投げるたびに打たれていました。3失点した7/25の試合後には「投げることが怖い…。」と話していたそうです。

高橋はその後中継ぎに配置転換されましたが、8/21には1死も取れずに5失点し、防御率は3.78まで悪化してしまいます。

そこから調子を取り戻し、今度は13試合連続無失点。何とか防御率を2点代まで戻したところで、9/23の試合中の怪我により無念の戦線離脱となってしまいました。は、はかない…。

まさに波瀾万丈だった2015年の高橋の最終成績はこちら。

62試合 2勝3敗22S14H 防2.92 61.2回 55奪三振 WHIP1.22

最後に戦線離脱しながら62試合登板、14ホールド22セーブは本当に立派です。しかし、前半戦の素晴らしい安定感からすると防御率2.92はもったいないです。

高橋は、2016年に左ひじのトミー・ジョン手術を受け、今季はリハビリ中。チームにとって欠かせない戦力だけに、早い復帰が望まれます。

『いつまで続くの連続失点。』山崎編

2人目は、2015年に37セーブの新人最多セーブ記録を樹立した山崎康晃(DeNA)です。

上述したように、1年目からチームの守護神として大活躍した山崎は、翌2016年も2年連続オールスターゲームに出場するなど、順調な前半戦を過ごしていました。

38試合 2勝2敗24S5H 防1.69 37.1回 41奪三振 WHIP1.29

ところが8月に入った途端、突如山崎に「魔の4日間」が訪れます。

8/2の試合から4試合の結果と防御率の推移がこちらです。

8/2   1.0回 自責点4   1.69 → 2.58
8/3   1.0回 自責点1   2.58 → 2.75
8/4   1.0回 自責点2   2.75 → 3.12
8/5   0.2回 自責点3   3.12 → 
3.73

なんと、4試合連続失点で防御率が2点以上も悪化してしまいました。

しかも山崎はこの後も打ち込まれ、8/28には防御率が4.23に。は、はかない…。

9月に入ると多少調子を取り戻しましたが、2016年の山崎の最終成績はこちら。

59試合 2勝5敗33S7H 防3.59 57.2回 61奪三振 WHIP1.39

史上初となる、新人の年から2年連続30セーブは見事ですが、防御率3.59はクローザーとしてはかなり厳しい数字です。

この年チームのエース格だった山口俊(当時DeNA)の防御率2.86(投球回数138.2回)を大きく上回ってしまいました。

それにしても、クローザーとして4試合も5試合も続けて失点するなんて、相当メンタルがやられてしまいそうです。

ただ高橋も山崎も、その後しっかりと立ち直っているのですから大したものです。さすが若くしてチームのクローザーを任されるだけのことはあります。

次回は「リリーフ投手防御率・残酷物語」第三部をご紹介します!


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